結論:公式で確認できたのは「積んでいない端末」と「止めるポリシー」の2つだけ

この記事は、もともと「カメラなしスマホ全機種比較」という企画で調べ始めました。しかし2026年9月13日から14日にかけてメーカー公式・キャリア公式を当たったところ、今回の調査で一次出典から存在を確認できたカメラレス端末は京セラのDIGNO BX3 カメラレス1機種だけでした。全機種を比較しようにも、そもそも比較できる母数が無いと分かり、「全機種比較」という当初の企画は成立しませんでした。

そこで企画を変更し、「カメラを積んでいない端末を選ぶ」方法に加えて「カメラを無効化する」方法も含めて、撮影禁止の現場でスマホを持つ手段を公式ページだけで洗い直しました。この過程で、検索する人がもっとも誤解しやすいと思われる事実にも突き当たりました。ソフトバンクの法人向けオプション「ケータイ機能制御」はページ本文に「カメラを制限すれば情報漏えいの防止」と書かれていますが、対象機種はDIGNOケータイ・AQUOSケータイという4Gのガラホシリーズのみで、スマートフォンは対象に含まれていません

公式ページを一つずつ当たった結果、確実に言えるのは次の2つの方法だけでした。

方法内容公式で確認できたこと
方法①カメラを積んでいない端末を選ぶ京セラ DIGNO BX3 カメラレス(ソフトバンクの法人向けラインアップ)を確認
方法②MDMポリシーでカメラを無効化するAndroid EnterpriseにcameraDisabledフィールドが存在することを確認

一方で、「ソフトバンクの法人サービスでスマホのカメラを止められる」という誤解や、「auのMDMでもカメラを制限できるはず」という推測は、今回当たった公式ページの範囲では裏付けが取れませんでした。次の章から、それぞれの方法の中身と、確認できなかったことを順番に見ていきます。

方法①:カメラを積んでいない端末を選ぶ(DIGNO BX3 カメラレス)

1つ目の方法は、そもそもカメラを搭載していない端末を選ぶことです。今回の調査で一次出典から存在を確認できたのは、DIGNO BX3 カメラレス(京セラ製・ソフトバンクの法人向けラインアップとして提供)の1機種でした。ソフトバンク法人公式・京セラ公式のどちらにも、背面・前面ともにカメラを搭載しないと明記されています。

項目
メーカー / 取扱京セラ / ソフトバンクの法人向けラインアップ
カメラ非搭載(背面・前面ともに無し)
チップMediaTek Dimensity 6100+(2.2GHz×2+2.0GHz×6 オクタコア)
画面約5.8インチ TFT / 1560×720(HD+)
電池4,000mAh
充電USB Type-C PD-PPS対応、約140分/約170分
重さ / サイズ約180g / 約72×157×10.9mm
メモリRAM 4GB / ROM 64GB
防水防塵IPX5/IPX8、IP6X
おサイフケータイ非対応
eSIM対応
堅牢性MIL-STD-810H準拠に加え、京セラ独自設計で筐体強度を向上
衛生泡ハンドソープでの手洗い・アルコール除菌シートでの拭き取りに耐える耐薬品性能
操作ウェットタッチ・グローブタッチ対応(濡れた手・手袋のまま操作可)
管理MDM対応・Android Enterprise Recommended 認定
カラーブラック1色
OSアップデート最大2回 / セキュリティアップデート3年間
価格オープン価格。公式ページに金額の記載なし

ここで正直に書いておきたいのは、カメラが無いこと以外にも諦める点があるということです。おサイフケータイには対応しておらず、画面解像度は現行のミドル〜ハイエンド機で主流のフルHD+ではなくHD+(1560×720)にとどまります。OSアップデートは最大2回、セキュリティアップデートは3年間で、最新機種と比べると更新期間は短めです。撮影禁止という条件を満たす代わりに、決済のかざす操作や高精細な表示、長期のソフトウェア更新を手放すことになる、という判断材料として読んでください。

価格については、公式ページに金額の記載がなくオープン価格となっています。法人窓口への見積り依頼が前提になっていると考えられ、この記事では具体的な金額を書きません。また、2026年9月14日時点でソフトバンクの法人向けスマートフォン一覧に現行掲載されていることは確認できましたが、docomo・au・楽天モバイルでの取り扱いは確認できていません(2026年9月13日確認)。

出典: ソフトバンク法人公式・京セラ公式(2026年9月13日/14日確認)

方法②:MDMでカメラを無効化する(Android Enterprise)

2つ目の方法は、端末を選び直すのではなく、既存の端末をMDM(モバイルデバイス管理)のポリシーでカメラだけ無効化するというものです。Google公式のAndroid Management API リファレンスには、ポリシーの設定項目としてcameraDisabledというフィールドが存在すると明記されています。公式の原文は次の通りです。

"If true, all cameras are disabled, otherwise they are available."

ただし、これだけを読んで「trueにすればカメラは止まる」と考えるのは早計です。同じリファレンスには後継フィールドとしてcameraAccessがあり、cameraAccessCAMERA_ACCESS_UNSPECIFIED以外に設定されている場合、cameraDisabledは効果を持たないと明記されています。つまり2つのフィールドには優先関係があり、どちらの設定になっているかを確認しないと、実際にカメラが止まっているかどうかは分かりません。

この方法の利点は、方法①のように端末を選び直す必要がないことです。すでに配布済みの端末がAndroid Enterpriseで管理されていれば、ポリシーの設定を変更するだけでカメラを止められる可能性があります。ただし、具体的な設定手順や対応端末の範囲までは、今回のAPI仕様の確認では裏付けられていません。

出典: Google公式 Android Management API リファレンス(2026年9月14日確認)

★誤解しやすい点:「カメラを制限できます」と書かれたサービスが、スマホには使えないことがある

今回の調査でもっとも注意が必要だと感じたのがこの点です。ソフトバンクの法人向けオプションサービスに「ケータイ機能制御」という名前のサービスがあります。公式ページの本文には、次のように書かれています。

「『カメラ』や『メモリカード』を制限すれば情報漏えいの防止」

制御できる機能の一覧にも「カメラ バーコードリーダーのみ許可」という記載があり、この文言だけを読むと「ソフトバンクの法人契約ならスマホのカメラも制限できる」と考えてしまいそうになります。しかし、公式ページの対象機種欄を確認すると、対象は「DIGNOケータイシリーズ」「AQUOSケータイシリーズ」という、いずれも4G方式のケータイ(ガラホ)に限られており、スマートフォンは対象に含まれていません。つまり、この記事で扱っている「スマホの撮影を禁止する」という目的には使えないサービスです。

この記事では、「ソフトバンクの法人サービスでスマホのカメラを止められる」とは書きません。公式ページの対象機種の記載と食い違うからです。サービス名と説明文の冒頭だけを見て判断すると誤読につながる典型的な例だと考え、あえて1章を割いて取り上げました。

なお、このサービスの月額料金は公式ページに記載がありませんでした。「無料」とも「有料」とも書きません。申込条件としては「ウェブ使用料または、データプランを法人名義にてご契約いただいている方のみお申し込みいただけます」と明記されています。

出典: ソフトバンク法人公式・ケータイ機能制御(2026年9月14日確認)

MDMの費用感について分かっていること

MDMを導入する場合の費用感の参考として、KDDIの法人向けMDMサービス「Smart Mobile Safety Manager」の料金を確認しました。対応OSはiOS / Android / Mac / Windows / auケータイ(4G LTE)で、料金は基本プランが月額330円/台(税込)4G LTEケータイプランが月額110円/台(税込)、各種オプションが220円〜88,000円/月(税込)と公式ページに記載されています。

プラン月額(税込・1台あたり)
基本プラン330円/台
4G LTEケータイプラン110円/台
各種オプション220円〜88,000円/月

ここで注意したいのは、このサービスの機能ページ本文にカメラに関する記載が見当たらなかったという点です。そのため、この記事では「auのMDMでカメラを止められる」とも「止められない」とも書きません。あくまで実在するMDMサービスの対応OSと料金だけを、カメラ制限の話とは切り離した事実として提示します。方法②で紹介したAndroid EnterpriseのcameraDisabled/cameraAccessのような、カメラ制御に関する具体的な記載を確認できたわけではないため、費用感の参考情報にとどめてください。

出典: KDDI法人公式・Smart Mobile Safety Manager 機能ページ(2026年9月14日確認)

どちらを選ぶかの分かれ目

ここまでの内容を踏まえると、方法①(端末を選ぶ)と方法②(MDMで無効化する)のどちらが向いているかは、状況によって分かれます。

これから新規に端末を配る場合は、方法①のようにカメラを積んでいない端末を選択肢に入れられます。ただし、DIGNO BX3 カメラレスはソフトバンクの法人向けラインアップとして提供されている端末で、価格は公式ページに記載がなく法人窓口での確認が前提になる点は踏まえておく必要があります。

すでに配布済みの端末を使い続けたい場合は、端末を入れ替えずに済む方法②の方が現実的です。ただし、Android EnterpriseでcameraDisabledcameraAccessのどちらの設定が優先されるかを確認する作業が必要で、単純に1つの値をtrueにすれば済むわけではありません。

管理する台数も判断材料になります。1台だけを個人で管理するのであれば端末選定のほうが手間は少なく済むかもしれませんが、多数の端末をまとめて管理する組織であれば、MDMのポリシーを一括で適用できる方法②のほうが運用の手間は小さくなると考えられます。ただし、この記事で確認できたのはAndroid Enterpriseのポリシー項目の存在までであり、実際の導入・運用コストについては確認していません。

★今回、公式で確認できなかったこと

この記事は「確認できた2つの方法」と同じくらい、「確認できなかったこと」を正直に書くことを大事にしています。今回の調査で確認できなかったのは次の点です。

公式ページで確認できなかった項目を、断定的な言い回しで埋めることはしません。分からないことは分からないと書くことが、この記事の前提です。

この記事の更新方針

この記事は2026年9月14日時点で確認できた公式情報にもとづいています。ドコモのサービス内容やiOSのカメラ制限仕様、DIGNO BX3 カメラレスの発売日など、今回確認できなかった項目については、一次情報で確定でき次第この記事に追記していきます。

KEN編集長のまとめ

「カメラなしスマホ全機種比較」という当初の企画は、一次出典を当たった時点で比較できる母数が無いことが分かり、成立しませんでした。公式ページを一つずつ確認して確実に言えたのは、京セラのDIGNO BX3 カメラレスを選ぶ方法と、Android Enterpriseのポリシーでカメラを無効化する方法の2つだけです。ソフトバンクの法人向け「ケータイ機能制御」は名前と説明文だけで誤解しやすいサービスで、対象はガラホに限られスマホには使えません。確認できなかったドコモやiOSの仕様、他社のカメラレス端末の有無については、断定せずに「確認できていない」まま記録しています。

よくある質問

今回の調査で一次出典から存在を確認できたのは、DIGNO BX3 カメラレスの1機種だけでした。ただし確認できなかったことは存在しないことの証明にはならないため、「他に無い」とは書きません。
公式ページに金額の記載がなくオープン価格となっており、この記事では具体的な価格を書いていません。法人窓口での見積りが前提になっていると考えられます。
いいえ。公式ページの対象機種は「DIGNOケータイシリーズ」「AQUOSケータイシリーズ」という4Gのガラホに限られており、スマートフォンは対象に含まれていません。
常に止まるとは言い切れません。公式リファレンスには、後継フィールドのcameraAccessがCAMERA_ACCESS_UNSPECIFIED以外に設定されている場合、cameraDisabledは効果を持たないと明記されています。両方の設定状況を確認する必要があります。
機能ページの本文にカメラに関する記載は見当たりませんでした。そのため、この記事では「止められる」とも「止められない」とも書きません。
確認できていません。旧ドコモURLがリダイレクト後にHTTP 403となり本文を取得できず、現行の正式なサービス名すら確定できませんでした。
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