この記事では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの端末返却プログラムを、名称の変更・基本の仕組み・返すときにかかるお金・キズや故障があるときの負担金・返却しなかった場合の扱いという5つの観点で横並びに整理しました。数値はすべて2026年8月9日時点で各社公式ページを確認したものです。
2026年、4社ともプログラムの名前が変わっている
返却プログラムは各社とも名称や条件が更新されており、検索結果に出てくる古い記事の名称のままでは、条件を取り違えるおそれがあります。まずは現行の名称と、旧名称からの切り替わりを確認しておきましょう(2026年8月9日確認)。
| 社 | 現行の名称 | 旧名称 | 旧の新規受付終了 |
|---|---|---|---|
| ドコモ | いつでもカエドキプログラム/いつでもカエドキプログラム+(2体系併存) | — | — |
| au | スマホトクするプログラム+ | スマホトクするプログラム | 2026年2月25日 |
| ソフトバンク | 新トクするサポート+(2025年8月20日提供開始) | 新トクするサポート(スタンダード/バリュー/プレミアム) | 提供期間〜2025年10月16日 |
| 楽天モバイル | 楽天モバイル買い替え超トクプログラム | — | — |
旧名の記事に注意
auの「スマホトクするプログラム」は2026年2月25日に新規受付を終了し、現行は「スマホトクするプログラム+」です。ソフトバンクも2025年8月20日に旧3コース(スタンダード/バリュー/プレミアム)を「新トクするサポート+」へ一本化しています。検索結果には旧名称のまま条件を解説した記事が残っているため、公式ページで現行の名称と条件を確認してから比較してください(2026年8月9日確認)。
基本の仕組みを4社で比べる
名称だけでなく、分割回数・返却の時期・免除される範囲・返却の要否も社ごとに異なります。まずは骨格を一覧で押さえてから、下の本文で各社の細かい条件を確認してください。
| 社 | 分割回数 | 返却の時期 | 免除される範囲 | 返却の要否 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ(無印) | 24回払い(残価設定型) | 24回目(残価支払い時) | 24回目の残価の支払いが不要 | 返却前提 |
| ドコモ+ | 24回払い(残価設定型) | 12か月目までの申込〜23か月目までの範囲で段階的 | 申込時期に応じて分割支払金+残価の一部〜全部が免除 | 返却前提 |
| au | 24回払い | 13〜25カ月目に回収 | 特典利用時点の残債 | 返却必須 |
| ソフトバンク | 48回払い | 特典A:13〜24カ月目/特典B:25カ月目以降 | 特典A:最大36回分/特典B:最大24回分 | 回収必須 |
| 楽天モバイル | 48回払い(楽天カードのみ) | 25カ月目以降 | 残り最大24回分 | 25カ月目以降に回収 |
ドコモの無印プログラムは残価設定型の24回払いで、24回目(最終回)にあたる残価の支払いが返却によって不要になる仕組みです。ドコモ+は同じ残価設定型24回払いをベースに、申込みから12か月目までに手続きした場合は13〜23か月目の全分割支払金と残価がまとめて免除され、13〜22か月目の申込みでは申込翌月分から23か月目分と残価が免除、23か月目の申込みでは残価のみが免除される段階制です。ただし、ドコモ+は22か月目までの申込みに「早期利用料」が別途必要になる点に注意してください(金額は公式ページで個別に確認する必要があります)。
auは24回払いで、13カ月目から25カ月目までの間に端末を回収してもらうことで、その時点の残債が免除される仕組みです。回収には13カ月以上の利用が条件になります。端末を返却しなかった場合は、最終回分を再分割して計47回払いへ延長することができます。
ソフトバンクは48回払いで、13〜24カ月目に申し込む「特典A」なら最大36回分、25カ月目以降に申し込む「特典B」なら最大24回分の支払いが不要になります。特典Aを利用するには「あんしん保証パック」への加入が期間中必須で、これとは別に早期利用料も必要です。いずれの特典も、申込日が属する月の翌月末までに端末の回収と査定完了が必要な「回収必須」の制度です。
楽天モバイルは楽天カード払いに限定した48回払いで、25カ月目以降に端末を回収してもらうと、残り最大24回分の支払いが不要になります。25カ月未満で解約すると残債の一括支払いが必要になり、この場合は製品の回収は行われません。
回線契約との関係も社によって異なります。ドコモは回線契約がなくてもプログラムに加入・利用でき、dアカウントがあれば手続きできると公式に明記しています。楽天モバイルも、楽天回線の申し込みは不要と公式に明記しています。auとソフトバンクについては、回線契約の要否を公式ページで確定できなかったため、この記事では触れません(2026年8月9日確認)。
2026年に増えた「返すときに払うお金」
ここがこの記事の核心です。返却プログラムは「返せば残りの支払いが不要になる」仕組みですが、2026年に入って各社が、返却するとき自体に発生する新しい利用料を導入・維持しています。割引の大きさだけで選ぶと、この負担を見落としがちです。
ドコモ:プログラム利用料(2026年3月5日新設)
ドコモは2026年3月5日に「プログラム利用料」を新設しました。返却時の査定完了後、最大22,000円(税込)を一括で支払います。金額は機種・容量・加入時期によって異なり、0円になる機種もあります。2026年3月4日までに加入した契約には発生せず、法人名義の契約にも発生しません(2026年8月9日確認)。
au:特典利用料
auは「特典利用料」として最大22,000円がかかります。旧「スマホトクするプログラム」にはなかった負担で、機種や購入時期によって金額が変動します。
ソフトバンク:特典利用料(特典Aは早期利用料も別途)
ソフトバンクも「特典利用料」として最大22,000円がかかります。特典A(13〜24カ月目の申込み)を利用する場合は、これに加えて早期利用料が別途必要です(金額は公式ページで契約条件ごとに確認してください)。
楽天モバイル:公式ページで利用料の記載を確認できず
楽天モバイルは、公式ページで利用料についての記載を確認できませんでした(2026年8月9日調査時点)。「無料」と断定できる根拠は見つからなかったため、申し込み前に公式ページの最新の記載を確認することをおすすめします。
3社が同じ水準の負担
ドコモ・au・ソフトバンクは、いずれも上限が同じ「最大22,000円」という水準でプログラム利用料・特典利用料を新設・維持しています。数年前に契約した人がこの負担を知らないまま返却手続きに進むと、想定外の出費になる可能性があります(2026年8月9日確認)。
キズ・故障があると負担金が上がる
返却する端末が各社の査定基準を満たさない場合、返却時の利用料とは別に負担金が上乗せされます。補償サービスへの加入有無で金額が大きく変わる点も共通しています。
ドコモ:ケータイ補償サービス/smartあんしん補償に加入している場合は2,200円(税込)、未加入の場合は22,000円(税込)です。
au:故障紛失サポートに加入している場合は2,200円、未加入の場合は22,000円(不課税)です。2,200円側は公式ページに税区分の記載がないため、この記事でも「2,200円」とだけ表記しています。
ソフトバンクは2026年8月19日から基準が変わる
ソフトバンクは2026年8月19日(水)から、査定基準および故障時負担金の内容が変わります。2026年8月19日以降に加入した場合は、Cランク(爪に引っかかるキズ/打痕/へこみ)が最大22,000円(不課税)、Dランク(ヒビ割れ)が最大44,000円(不課税)です。2026年8月18日以前に加入した場合は、端末価格7万円以上が22,000円(不課税)、7万円未満が12,000円(不課税)です。この記事の公開から10日後に境目を迎えるため、自分の加入日がどちらに当たるか公式ページで確認してください(2026年8月9日確認)。
楽天モバイル:故障時の負担金については公式ページ間で記載が食い違っており、この記事では金額を確定できません。申し込み前に公式サポートへ直接確認することをおすすめします。
返さなかった場合どうなるか
端末を返却しなかった場合の扱いも社によって異なります。ここではドコモ・au・楽天モバイルの3社について、公式ページで確認できた内容をまとめます。
ドコモ(無印):返却しなかった場合、支払期間が49か月(47回)に延長され、24回目の残価をさらに24分割して支払う形になります。
au:返却しなかった場合、最終回分を再分割して計47回払いへ延長することができます。
楽天モバイル:25カ月未満で解約すると残債の一括支払いが必要になり、製品の回収は行われません。機種変更のタイミングで端末が未返却の場合も、残債を請求されます。
端末を返却せずに使い続ける場合は、その機種がいつまでOSアップデートを受けられるかも判断材料になります。当サイトが掲載99機種のOSアップデート提供年数を調べたところ、公式で確認できたのは38機種のみで、終了時期が日付まで分かる機種は4機種だけでした。詳しくはスマホのOSアップデート提供年数一覧で確認できます。
そもそもなぜ「返却前提」なのか
端末の返却プログラムがこれだけ複雑になっている背景には、通信契約とセットにした端末値引きの上限規制があります。電気通信事業法第27条の3により、通信契約とセットの端末値引きは原則4万円(税抜)が上限とされています。2023年12月27日に施行されたこの規制は段階制で、対照価格が8万円超の端末は上限4万円、4万〜8万円は対照価格の50%、4万円以下は上限2万円までとされ、端末単体の値引きも規制の対象になります。現行のガイドラインは令和6年(2024年)12月版が最新です。
2026年8月9日時点で、総務省「競争ルールの検証に関するWG」の公式ページに掲載されている直近会合は令和7年6月16日の第63回であり、第27条の3の見直しは確定していません。値引き上限が変わらない以上、各社は「分割払い+返却で残債免除」という残価設定型のプログラムで実質的な負担を下げる構造を維持しており、返却の条件がそのまま総額に直結する状態が続いています。
出典:ドコモ「いつでもカエドキプログラム」公式・ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」公式・ドコモ プログラム利用料に関するお知らせ・au「スマホトクするプログラム+」公式・au「スマホトクするプログラム」公式・ソフトバンク「新トクするサポート+」公式・ソフトバンク よくある質問(査定基準)・楽天モバイル「買い替え超トクプログラム」公式・総務省「競争ルールの検証に関するWG」(いずれも2026年8月9日確認)
KEN編集長のまとめ
返却プログラムは、月々の支払いを抑える代わりに「決められた期間内に、査定基準を満たす状態で端末を返す」ことが前提になっている仕組みです。2026年に各社が新設した利用料や、キズがあるときの負担金を見ると、返却できなかったときのコストが以前よりはっきり可視化されたとも言えます。
プログラムを選ぶときは、値引き額の大きさだけでなく、自分が24か月間ケースやフィルムで端末を守り、期限内に返却できる生活スタイルかどうかを合わせて確認しておきましょう。返す前提で組まれた支払いなので、返せる状態を24か月保てるかが分かれ目になります。
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