結論:2社は「正反対の設計」。まず自分がどちら型か

楽天モバイルは「使った分だけ払う」従量制です。データを使わない月は1,078円まで下がり、使う月は上限3,278円で無制限になります。一方ワイモバイルは「割引が効く前提」で組まれた定額制です。単体の料金は3,278円〜5,478円と高めに見えますが、おうち割光セット(A)や家族割引サービスが適用できる人にとっては実質額が大きく下がります。つまり、どちらが安いかは契約する人の状況次第で決まる仕組みです。

たとえば同じ「月20GBくらい使う人」でも、毎月の使用量が15GBの月もあれば25GBの月もあるという人は楽天モバイルの従量制なら自動的に払う額が変わります。一方で毎月ほぼ同じ量を使い、自宅の光回線がSoftBank光という人は、ワイモバイルの割引を毎月確実に受けられるため定額の恩恵を最大化できます。「料金表の数字」ではなく「自分の生活パターンがどちらの前提と噛み合うか」で選ぶのがこの2社の比較の本質です。

こんな人は楽天モバイル型

月によってデータの使う量が大きく変わる/ほぼ使わない月がある/動画視聴が多く無制限が欲しい/Rakuten Linkで通話することが多い、という方は従量制の楽天モバイルと相性が良い傾向です。

こんな人はワイモバイル型

自宅にSoftBank光を引いている/家族で複数回線をまとめたい/店舗で対面サポートを受けたい、という方は割引が効くワイモバイルと相性が良い傾向です。

料金を比較(2026年8月・税込)

まず単体の料金表を見比べます。楽天モバイルは3段階の従量制、ワイモバイルは3段階の定額制(割引前)です。表面上の金額だけを並べると楽天モバイルが安く見えますが、ワイモバイルは割引を加味した「実質額」で比べることではじめてフェアな比較になります。順に見ていきましょう。

データ量楽天モバイル(Rakuten最強プラン)
〜3GB1,078円/月
3GB超〜20GB2,178円/月
20GB超〜無制限3,278円/月
プランデータ量月額(割引前)
シンプル3 S5GB3,278円/月
シンプル3 M30GB4,378円/月
シンプル3 L35GB5,478円/月

ワイモバイルはここに「おうち割光セット(A)」が適用できると、S/M/Lすべてのプランから一律1,650円が引かれます。実質額で並べ直すと次のとおりです。

プラン割引前おうち割適用後(実質)
シンプル3 S(5GB)3,278円1,628円
シンプル3 M(30GB)4,378円2,728円
シンプル3 L(35GB)5,478円3,828円

割引前の数字だけで判断しない

ワイモバイルの割引前料金(例:30GBで4,378円)だけを見て「高い」と判断するのは早計です。おうち割光セット(A)や家族割引サービスが適用できる人にとっては実質額が大きく下がります。逆に、光回線も家族回線も無い状態で契約すると、割引の効かない定価のまま払い続けることになる点は正直に押さえておく必要があります。

なお家族割引サービス(2回線目以降1,100円引き)はおうち割光セット(A)と併用できず、どちらか割引額の大きい方が適用されます。家族割のみ適用した場合の実質額は、S=2,178円/M=3,278円/L=4,378円です。おうち割の方が割引額が大きいため、SoftBank光を利用できる家庭ではおうち割を優先するのが基本になります。

データが足りない月はオプションで増量できる

ワイモバイルには月550円のデータ増量オプションがあり、Sは+2GB、M/Lは+5GBまでデータ量を増やせます。初回加入から6か月間はこのオプション自体が無料になるため、契約直後にデータ量が読みにくい人は試しやすい仕組みです。なお支払い方法についてはPayPayカード払いでさらに割引が受けられる仕組みもありますが、割引額は条件によって変わるため本記事では金額の断定を避けます。

データの使い方でどちらが得か(損益分岐)

料金表だけを見比べても実感が湧きにくいので、月のデータの使い方で分けてみます。ポイントは「毎月のデータ量が一定かどうか」です。

使い方向いている方目安月額
ほぼ使わない月がある(0〜3GB)楽天モバイル1,078円
毎月20GB前後で安定楽天モバイル または ワイモバイルM(割引適用時)2,178円〜2,728円
動画中心で無制限が欲しい楽天モバイル3,278円
5GB程度・SoftBank光ありワイモバイルS(おうち割適用)1,628円

「毎月のデータ量が読めない・バラつく」人は、使わない月に自動で安くなる楽天モバイルの従量制が有利です。逆に「毎月ほぼ一定で、自宅の光回線がSoftBank光」という人は、割引を最大限使えるワイモバイルの方が実質額を下げられます。フリーランスや在宅勤務が多い人のように外出頻度が月で変動する働き方は前者に近く、毎日決まった通勤ルートでスマホを使う会社員のように生活パターンが一定な人は後者に近い傾向があります。自分の1年間の通信量を振り返り、月ごとの使用量の振れ幅が大きいか小さいかを一度確認してみると、どちらの設計が合うか判断しやすくなります。

電波・速度の違い(ここが最大の分かれ目)

料金以上に生活へ影響するのが電波です。ワイモバイルはソフトバンクの自社回線を使うサブブランドで、混雑する時間帯でも速度が大きく落ちにくいのが特徴です。MVNO(格安SIM)のように回線を借りる立場ではないため、昼休みや夜間の速度低下を心配する場面は比較的少なめです。

楽天モバイルは自社回線のエリアを拡大している最中の事業者です。2024年6月27日にプラチナバンド(700MHz帯)の商用サービスを開始しており、これによって屋内・地下・ビルの陰といった、電波が届きにくかった場所のつながりやすさが改善傾向にあります。ただしエリアの整備状況には地域差があるため、契約前の確認が欠かせません。

ワイモバイルとの違いを店頭で説明する際は「サブブランドか、自社回線を拡大中の事業者か」という立ち位置の違いを伝えるようにしています。ワイモバイルはすでに全国をカバーしたソフトバンクの設備をそのまま使えるため、エリアで悩む場面はほとんどありません。楽天モバイルは自社エリアの拡大とともにつながりやすさが年々改善している段階なので、エリア確認をした上で使う分にはコストパフォーマンスの高い選択肢になります。

申込前にエリア確認を

自宅・職場・通勤経路が楽天モバイルの回線エリア内かどうかは、契約前に公式のエリアマップで確認しておくことをおすすめします。改善の詳細は楽天モバイルの電波改善についての記事、注意点全般は楽天モバイルのデメリットと注意点で解説しています。

通話・割引・サポートの違い

通話面では、楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話が無料になります。ただし標準の電話アプリを使うと22円/30秒がかかり、0570などの一部特番や他社接続時は対象外になる点に注意が必要です。普段からRakuten Linkを起動して発信する習慣がある人にとっては、通話料をほぼ気にせず使えるのが大きな魅力です。ワイモバイルは基本22円/30秒で、10分かけ放題や24時間かけ放題はオプション契約になります。仕事などで長電話が多い人はオプションを付ける前提で考えておくとよいでしょう。60歳以上の方には「60歳以上通話ずーっと割引」があり、通常1,980円の24時間かけ放題が永年880円になる優遇もあります。

割引の仕組みも対照的です。楽天モバイルはそもそも割引を前提にしておらず、シンプルな従量料金がそのまま実質額になります。ワイモバイルはおうち割光セット(A)で全プラン一律1,650円引き、家族割引サービスで2回線目以降1,100円引き(両者は併用不可・大きい方が適用)と、割引を組み合わせて実質額を下げる設計です。

サポート面では、ワイモバイルは全国のソフトバンク・ワイモバイル店舗で対面サポートを受けられます。契約手続きだけでなく、機種変更の相談やトラブル時の相談も店舗で完結できるのは、スマホの操作に不安がある方や家族分の手続きをまとめて相談したい方にとって大きな安心材料です。楽天モバイルにも店舗はありますが数は少なめで、基本的にはオンラインでの手続き・サポートが中心です。チャットサポートやアプリでの手続きに慣れている人であれば不便を感じにくい一方、対面での相談を前提にしている人にはハードルになり得ます。

項目楽天モバイルワイモバイル
国内通話Rakuten Linkアプリで無料22円/30秒(かけ放題はオプション)
割引の考え方割引不要のシンプル料金おうち割・家族割で実質額を下げる設計
店舗サポート店舗数は少なめ・オンライン中心全国のソフトバンク/Y!mobile店舗
契約事務手数料0円プランにより異なる

こんな人におすすめ

楽天モバイルが向く人

月のデータ使用量にバラつきがあり、使わない月にまで高い定額を払いたくない人。動画視聴が多く、無制限のデータをできるだけ安く確保したい人。Rakuten Linkアプリでの通話が中心で、通話料をかけずに済ませたい人。エリア確認をしたうえで、自宅・職場が楽天の対応エリア内であることを確認できた人には特に向いています。

ワイモバイルが向く人

自宅にSoftBank光を引いていて、おうち割光セット(A)の1,650円引きを毎月確実に受けられる人。家族で複数回線をまとめて契約し、家族割引サービスを活用したい人。操作や手続きに不安があり、店舗での対面サポートを重視する人。60歳以上で通話ずーっと割引の対象になる人にもメリットが大きいプランです。

KEN編集長のまとめ

楽天モバイルとワイモバイル、この2社を比べるときに大事なのは「安さの正体が違う」という点です。楽天モバイルの安さは“使わない月には払わない”という従量制のシンプルさから来ています。ワイモバイルの安さは“おうち割や家族割の条件を満たせる人だけ”が手にできる割引の設計から来ています。

どちらが優れているという話ではなく、自宅の光回線と毎月のデータ量を確認したうえで、自分がどちらの設計に乗れるかで選ぶのが後悔しない決め方です。迷ったときは、まず直近数か月の利用データ量を振り返り、次に自宅がSoftBank光かどうか、楽天モバイルのエリア内かどうかを確認する、という順番で考えると判断しやすくなります。

よくある質問

使い方次第です。ほぼ使わない月がある人や無制限のデータを安く確保したい人は楽天モバイルが有利になり、SoftBank光や家族回線があって割引をしっかり受けられる人はワイモバイルが有利になります。単体の料金表だけでなく、自分が割引を使える立場かどうかまで含めて比較することが大切です。
2024年6月27日のプラチナバンド(700MHz帯)商用開始により、屋内・地下・ビルの陰といった場所のつながりやすさは改善傾向にあります。ただしエリアの整備状況には地域差があるため、申込前に自宅・職場・通勤経路のエリア確認をおすすめします。
おうち割光セット(A)を適用すると、シンプル3はS/M/Lの全プランで一律1,650円引きになります。家族割引サービスは2回線目以降1,100円引きですが、おうち割光セット(A)とは併用できず、割引額の大きい方が適用される点に注意してください。
MNP(番号ポータビリティ)により、楽天モバイル・ワイモバイルともに今の電話番号をそのまま使えます。ワンストップMNPに対応しているため、乗り換え元での解約手続きは不要で、転入先の手続きだけで完結します。

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