eSIM(embedded SIM)は、物理的なSIMカードを挿し替える代わりに、端末内蔵のチップへ通信情報(プロファイル)を書き込んで使う仕組みです。SIMカードの抜き差しが不要な分、対応端末であれば申し込みから開通までが速いのが特長です。主要な大手・格安SIMはいずれもeSIMに対応していますが、対応機種であること・SIMロックが解除されていることが前提になります(2026年7月14日確認)。
eSIM乗り換えに必要なもの(事前チェック)
- eSIM対応端末:iPhone・Android問わず機種ごとに対応可否が決まっている(古い機種は非対応の場合あり)
- SIMロック解除済み、またはSIMフリー端末:他社から購入した端末はロック解除が必要な場合がある
- 安定したWi-Fi環境:各社公式が開通作業にWi-Fi接続を案内している(UQ mobileは同一端末のテザリング不可と明記)
- 本人確認書類:マイナンバーカード・運転免許証などオンライン申込に必要
Wi-Fi環境は必須です
eSIMの設定にはWi-Fi接続が必要だと各社公式が案内しています。UQ mobileは「同一端末のテザリングは利用できない」とまで明記しているため、自宅など別回線のWi-Fiがある場所で手続きしましょう(2026年8月9日確認)。
eSIM乗り換えの手順
- 乗り換え先を決めて申し込む:申込フォームでSIMの種類を「eSIM」で選択(乗り換え先によってはワンストップMNPで現在の契約先への解約手続きは不要)
- Wi-Fi環境でQRコード/プロファイルを受け取る:申込完了後、メールやマイページにQRコードまたはインストール用リンクが届く
- プロファイルをダウンロード・インストール:端末の設定画面からQRコードを読み取り、案内に沿ってプロファイルを追加する
- 開通(回線切替)の手続きをする:他社から乗り換える場合は、電話またはマイページで回線切替の手続きが必要。切替が完了すると数分〜数十分で新しい回線に切り替わる
- 通信ができるか確認する:モバイルデータ通信・通話ができるかを確認して完了
「即日開通」には受付時間の制限がある場合も
eSIMは物理SIMの郵送を待つ必要がないため早く開通できますが、乗り換え(回線切替)の手続きには各社ごとに受付時間が設定されている場合があります(例: 日中のみ受付)。当日中の開通を急ぐ場合は、朝〜日中の早い時間帯に手続きを始めるのが安全です。
主要キャリアのeSIM対応状況
| キャリア/格安SIM | eSIM対応 | 備考 |
|---|---|---|
| ahamo | 対応 | 物理SIM/eSIMを申込時に選択可 |
| povo2.0 | 対応 | 対応機種限定・SIMロック解除端末が必要 |
| LINEMO | 対応 | eSIMへの変更・再発行は当面無料(物理SIMへの変更は別途手数料) |
| UQ mobile | 対応 | 動作確認端末一覧で「eSIM」表記のある機種のみ |
| ドコモ(ドコモMAX/ドコモmini等) | 対応 | irumo/eximoは2025年6月4日で新規受付終了、現行ラインはドコモMAX/ドコモmini中心 |
| ソフトバンク | 対応 | 対応機種一覧を公式FAQで公開 |
| 楽天モバイル | 対応 | my楽天モバイルから申込、条件次第で最短当日開通 |
| Y!mobile | 対応 | 申込時にeSIM/SIMカードを選択可 |
| IIJmio | 対応 | 申込時にeSIM/SIMカードを選択可 |
いずれも「対応機種であること」が前提です。契約前に必ず各社公式サイトの動作確認済み端末一覧をご確認ください(2026年7月14日各社公式情報確認)。
物理SIMからeSIMへ切り替える(契約はそのまま)
ここまでは他社への乗り換え(MNP)を前提に説明してきましたが、他社への乗り換えではなく、今の契約のままSIMの形だけ物理SIMからeSIMへ変えるケースもあります。この場合は各社の「SIM再発行」の手続きで対応します。
| 事業者 | 公式の呼び方 | オンライン | 店頭 | 受付時間 |
|---|---|---|---|---|
| ahamo | eSIM新規発行・再発行 | 無料(キャンペーン中) | 4,950円(税込)※事由により無料 | 電話窓口 9:00〜20:00 |
| au | eSIM再発行 | 無料(My au) | 4,950円(税込) | 0:05〜23:55 |
| UQ mobile | eSIM再発行 | 無料(My UQ mobile) | 4,950円(税込) | 0:05〜23:55 |
| ソフトバンク | eSIM再発行 | 0円(My SoftBank) | 4,950円(税込) | 公式に記載なし |
| Y!mobile | SIMタイプ変更/eSIM再発行 | 無料(My Y!mobile) | 4,950円(税込) | 公式に記載なし |
| LINEMO | SIM変更手数料(pSIM⇒eSIM) | 0円 | 店舗での取り扱いなし | 24時間・年中無休(23:15以降の申込は翌日扱い) |
| povo2.0 | SIMの再発行・交換 | 無料(本来440円を当面無料) | 店舗での取り扱いなし | 通話+データ 9:30〜20:00/データ専用 24時間 |
| 楽天モバイル | SIM交換・再発行 | eSIMは0円 | 経路差の記載なし | 公式に記載なし |
| ドコモ(本体) | eSIM発行・再発行 | 本記事の調査では確認できず | 4,950円(税込) | 電話窓口 9:00〜20:00 |
ahamo・ドコモのオンライン無料は公式FAQに「キャンペーン中のため」と書かれており、終了日は公表されていません(2026年8月9日確認)。ドコモ本体のオンライン手数料は本記事の調査では公式ページ本文を確認できなかったため額を記載していません。
同じ「再発行」でも別の料金が3つある
au・UQ mobileの「SIM再発行 ウェブ 3,850円」は物理SIM(au ICカード)側の額で、eSIMのウェブ手続きは無料です。ソフトバンクの「eSIM発行 3,850円/4,950円」は新規契約・機種変更にかかる契約事務手数料であって、eSIM再発行(0円)とは別物です。楽天モバイルの3,300円(税込)は物理SIM側の再発行料で、eSIMは0円です。
2026年に手数料が2回変わっています
au・UQ mobileは2026年6月26日にウェブのeSIM発行を無料化し、2026年8月1日には店頭のSIM・eSIM発行を3,850円から4,950円(税込)へ改定しました(KDDI公式のお知らせ)。ページによっては旧額が残っている場合があるため、申し込み前に最新のお知らせを確認してください。ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOは2026年1月21日に、ウェブのSIM再発行をeSIM無料/USIM 1,100円(税込)へ改定しています。他社の料金・手数料の改定は2026年の通信料金 改定カレンダーにまとめています。
機種変更でeSIMを新しい端末へ移す
iPhone:eSIMクイック転送
古いiPhoneから新しいiPhoneへ、端末の操作だけでeSIMを移せる仕組みです。多くの事業者で申し込み手続きは不要です。
| 事業者 | 公式の呼び方 | 条件 |
|---|---|---|
| ドコモ | eSIMクイック転送 | iOS 16.4以上・iPhone 11以降/申し込み手続き不要/受付は終日/副回線の転送とiPhone⇔iPad間は対象外 |
| ソフトバンク・Y!mobile・LINEMO | eSIMクイック転送 | iOS 17以降(2023年9月19日提供開始)/LINEMOはiPhone XS・XR以降・Wi-Fi環境が必要・受付0:30〜23:30 |
| 楽天モバイル | eSIMクイック転送 | iPhone 11以降(SE 第2世代を除く)・変更前後のiOSが16.0以上 |
| au・UQ mobile | eSIM転送 | 購入前の事前手続きは不要 |
| povo2.0 | eSIMクイック転送 | iOS 16・iPadOS 17.4以上/データ専用プランでは利用できない/サービス時間 7:00〜23:50・1:00〜2:50 |
この表に載っていない事業者について「非対応」ではありません。上表はいずれも各社公式ページで対応を確認したもの(2026年8月9日確認)。
Android:eSIM転送
Google公式(Pixelヘルプ)の手順は、設定 → ネットワークとインターネット → SIM → SIMを追加 → 「他のデバイスからSIMを移行する」です。Google側の要件は、新旧どちらもAndroid 12以降・最新のGoogle Play開発者サービス・画面ロックの設定です。
ただし事業者側が求めるOSは別で、ドコモの「Android eSIM転送機能」は新旧ともAndroid 14以上、LINEMOの「Android eSIM転送」はAndroid 15以上(Pixel 8以降等)が必要です。「Android 12以降なら一律で移せる」わけではありません。自動で移行できない場合は、上の「物理SIMからeSIMへ切り替える」の表にある再発行の手続きになります。
ソフトバンクはクイック転送なら事務手数料なし
ソフトバンクは、自分でeSIMクイック転送を使って機種変更する場合は事務手数料がかからないと公式に案内しています(2026年8月9日確認)。
端末の買い替えそのものを検討している方は端末の返却プログラム4社比較もあわせてご覧ください。
注意点
① 再発行の手数料・条件は各社で異なる
オンライン手続きならau・UQ mobile・ソフトバンク・Y!mobile・LINEMO・povo2.0・楽天モバイルは無料、店頭は4,950円(税込)が基本です。詳しくは上の「物理SIMからeSIMへ切り替える」を参照してください。
② SIMロック解除を忘れずに
他社で購入した端末をそのまま使う場合は、事前にSIMロック解除が必要なケースがあります。多くの端末はオンラインで無料解除できます。
③ 対応機種でも古いモデルは非対応のことがある
「eSIM対応キャリア」であっても、端末側が古いモデルだと対象外になっている場合があります。契約前に自分の端末が動作確認済み端末一覧に載っているか確認しましょう。
④ eSIMは即日開通できるが「乗り換える月」は選んだ方がよい
eSIMなら最短即日で開通できるため、思い立った日にそのまま手続きできます。ただし2026年時点では、契約から1年以内の解約に負担が設定された事業者があり、端末の返却プログラムにも「返せる月」があります。開通の速さとは別に、いつ乗り換えるかで金額が変わる点は押さえておくとよいでしょう。詳しくはスマホの乗り換えタイミングで整理しています。
これだけは要注意
「セット割の対象プランを思い込みで決めない」のと同じで、eSIM対応も「キャリア名」だけで判断せず、自分の端末の型番で公式の動作確認端末一覧を確認するのが確実です。
KEN編集長のまとめ
eSIMは物理SIMの到着を待たずに開通できる分、乗り換えのハードルを大きく下げてくれます。ただし「Wi-Fi環境」「対応機種の確認」「SIMロック解除」の3点は事前に済ませておくべき準備です。ここさえ押さえれば、乗り換え作業自体は数十分で終わります。
どのキャリアが自分の使い方に合うか迷ったらまるごと診断で比較してみてください。
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