結論——2026年に見る順番は「①1年 → ②端末の回数 → ③日付」
他のサイトでは「乗り換えは月末がお得」「キャンペーンが多い時期を狙え」といった案内をよく見かけます。ただ、2025〜2026年にかけて前提が変わりました。2026年8月時点で乗り換えのタイミングを決めるなら、見るべきはカレンダーの日付ではなく、契約からの月数です。
具体的には、次の2つの月数を先に確認し、日付は最後に決めるという順序が合理的です。1つ目は回線契約から12か月を超えているかどうか。2つ目は端末の支払いが返却できる回数に達しているかどうか。この2つを確認したうえで、3番目にようやく「解約する月のどのタイミングか」という日付の話が出てきます。
1つ目を先に見る理由は単純です。2025〜2026年に、ドコモ・au・ソフトバンク系・楽天モバイルの4グループすべてが、新規契約から1年以内の解約に限った料金を新設したからです。2つ目を見る理由は、端末の残価設定型プログラムには「返せる月」が決まっており、早すぎても遅すぎても損になりうるからです。そして3番目の日付は、解約する月の基本料が日割りにならない事業者が多いという、これまでの「月末がお得」説の正体にすぎません。
この記事では、この①→②→③の順番で、2026年8月時点の公式情報をもとに整理します。あわせて事務手数料の有料化や、MNP予約番号の要否、端末値引きの上限といった、乗り換え全体にかかわる制度もまとめました。
乗り換え前に見る3つの数字
①今の回線を契約してから12か月を超えているか。②端末の分割払いが「返せる月」に届いているか。③(①②を確認したうえで)解約する月は月の前半か後半か。この順番で確認すると、日付だけで判断するより損得のズレが小さくなります。
① 契約から1年を超えているか(2026年の新常識)
2019年10月1日に施行された改正電気通信事業法(第27条の3)により、期間拘束のある契約の違約金上限が1,000円(税抜)になりました。それ以前の主力プランでは9,500円、2年契約では10,450円が一般的だったので、これは大幅な引き下げです。ドコモはさらに進んで2021年10月1日に解約金そのものを廃止し、2年定期契約の新規受付を2021年9月30日で終了しています。この流れの中で「解約金は0円」という認識が広まりました。
ところが2025〜2026年にかけて、短期解約への対応として「1年以内の解約に限った料金」が各社に入りました。これが本記事の核心です。「解約金は0円」という認識のまま乗り換えを検討している場合、この点を見落としやすくなっています。下の表に整理します。
| グループ | 対象になる契約の開始日 | 1年以内に解約した場合 |
|---|---|---|
| ドコモ・ahamo・irumo | 2025年7月1日以降の新規契約(MNPでの新規を含む) | 1,100円(税込)。月額が1,100円未満のプランはそのプランの月額と同額 |
| au・UQ mobile | 2025年10月1日以降の新規契約 | 1,100円(税込)。割引後の月額が1,100円未満のプランはその月額と同額 |
| ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMO | 2026年7月1日以降の新規契約・のりかえ | 最大1,100円(税込)。ワイモバイル シンプル3はS・Mが858円/Lが1,100円、LINEMOはベストプランが990円/ベストプランVが1,100円 |
| 楽天モバイル | 2025年4月1日以降に申込・利用開始 | 解約事務手数料として最大1,078円(税込)。Rakuten最強U-NEXTプランは1,100円(税込) |
整理すると、次の点がポイントになります。まず、1年(12か月)を超えて使えばこの負担は発生しません。金額そのものは1,000円前後で、乗り換えによって下がる月額を考えれば決定的な額ではありませんが、「契約したばかりの回線を短期で乗り換える」という動きにはブレーキがかかった形です。
次に、適用は「いつ契約した回線か」で分かれます。上の表の開始日より前に契約している回線は対象外です。また、同じグループ内のブランド間の移行(例:auとUQ mobileとpovoの間、ソフトバンクとワイモバイルとLINEMOの間)は対象外で、契約から8日以内のキャンセルも対象外です。なお、ドコモでは2025年3月1日〜6月30日の契約分について「利用実態がない」場合など、条件付きの扱いになっていた経緯もあります。
まず確認すること
1年未満での乗り換えを考えている場合は、契約した年月と、その回線がどの開始日以降の契約に当たるかを先に確認してください。開始日をまたいでいるかどうかで、負担の有無が変わります。
② 端末の「返せる月」を過ぎているか
端末の残価設定型プログラム(いわゆる返却プログラム)は、返却できる月があらかじめ決まっています。乗り換えたい月がその月より早いと、端末の残債がそのまま残ってしまいます。逆に返却の期限を過ぎて放置すると、残価が再度分割され、端末の支払いが延びます。これが乗り換えタイミングを縛る2番目の数字です。
| プログラム | 支払い回数 | 返却で免除になる条件 | 追加で発生しうる負担 |
|---|---|---|---|
| ドコモ「いつでもカエドキプログラム」 | 24回払い | 23回目までに返却すると24回目(残価)の支払いが不要=実質23回分。返却せず使い続ける場合は残価を再度24回に分割(最大46回目まで) | 返却時に故障・画面割れがある場合、smartあんしん補償等の加入時2,200円/未加入時22,000円 |
| ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」 | 24回払い | 12か月目までに利用を申し込むと13回目〜23回目の分割金と24回目(残価)が免除=実質12回分。13〜22か月目の申込では申込月の翌月〜23か月目分が対象 | 22か月目までの申込では早期利用料が発生(smartあんしん補償の月額コース別に5,500円/8,250円/12,100円)。同補償への加入が条件 |
| au「スマホトクするプログラム+」 | 24回払い | 購入から13〜25か月目にauが端末を回収すると24回目(残価)が不要=実質23回分。25か月目以降は最終回を再度24回に分割できる | 特典利用料 最大22,000円(不課税)。auで対象機種に機種変更する場合は「au買替特典」で同額が割引。返却時に故障がある場合は故障紛失サポート等の加入時2,200円/未加入時 最大22,000円(不課税) |
| ソフトバンク「新トクするサポート+」 | 48回払い(自動加入) | 特典A=13〜24か月目の申込で最大36回分が免除(実質12回分)/特典B=25か月目以降の申込で最大24回分が免除(実質24回分) | 機種ごとに特典利用料の設定があり、金額は機種・容量・申込時期で変わる。購入時の提供条件書で確認が必要 |
| 楽天モバイル「買い替え超トクプログラム」 | 48回払い(楽天カード払いが条件) | 24回分の支払いを終えた25か月目以降〜47か月目に返却すると25〜48回目の最大24回分が免除=実質24回分 | 返却した端末に故障・不備がある場合22,000円(不課税)。査定で受付不可となった場合は製品が返送され残債の全額を請求 |
表にある各プログラムの名称は、現行のものです。ここは古い記事だと更新が追いついていないことが多いので、念のため触れておきます。auは2026年2月26日に「スマホトクするプログラム+」の提供が始まり、旧「スマホトクするプログラム」の対象機種の取扱いは2026年2月25日で終了しました。ソフトバンクは2025年8月20日に「新トクするサポート+」へ一本化されており、旧「新トクするサポート」のスタンダード/バリュー/プレミアムという区分は、すでに契約している人向けの内容として扱われています。
また、au・ソフトバンクのプログラムでは、返却時に「特典利用料」という負担が別に発生する点が、旧プログラムにはなかった特徴です。金額はauが最大22,000円(不課税)、ソフトバンクは機種ごとの設定になっています。返却前に、この特典利用料がいくらになるかを確認しておくと計算がしやすくなります。
独自の指摘
「乗り換えたい月」より「返せる月」が後だと、端末の残債は乗り換え後も払い続けることになります。逆に返却の期限を過ぎると残価が再分割され、端末の支払いが伸びます。回線の乗り換え日を決める前に、端末が何回目の支払いなのかを確認してください。
③ 解約する月は日割りにならない
①②を確認したら、最後に見るのが日付です。ここでようやく「月末がお得」説の話になります。多くの事業者では、解約する月の基本料が日割りにならず1か月分満額になります。一方で新しく契約する回線の初月は日割りになる事業者が多く、この非対称性が「月末に近い方がお得」という理屈の正体です。
| 事業者 | 解約した月の基本料 | 新規・MNPで入った月(初月)の基本料 |
|---|---|---|
| ドコモ(ドコモ MAX等) | 日割りにならず1か月分 | 新規契約(MNPを含む)と同時申込の場合に限り日割り。同じ月のうちに変更・解約すると日割りにならない |
| ahamo | 日割りにならず月額料金が満額 | 日割り(開通日から月末までの分) |
| au・UQ mobile | 主要プランは日割りにならず1か月分 | 利用日数分の日割り |
| ソフトバンク | 一部を除き日割りにならず満額(加入した月に解約する場合は例外で日割り) | 日割り |
| ワイモバイル | 月途中の解約でも基本使用料は満額 | 日割り |
| LINEMO | 月途中の解約では日割り計算しない | 日割り |
| 楽天モバイル | 日割りではなく、その月に使ったデータ量に対応した段階の料金 | 同じくデータ量に応じた段階の料金 |
旧回線は解約月が満額になるため、その1か月分は乗り換えても戻ってきません。だから旧回線は、月の後半に解約するほど、払った1か月分を使い切れるという理屈になります。一方で新回線の初月は日割りの事業者が多いので、新回線を早く開通させても初月の料金は使った日数分で済みます。二重に払うことになるのは実質「旧回線の満額分」であり、そこだけを意識すれば十分です。
楽天モバイルは例外です。日割りではなくデータ量の段階で料金が決まるため、解約する月にデータを使わなければ低い段階の料金で終わります(例:その月のデータ量が3GBまでなら1,078円(税込))。なお、楽天モバイルのオプションは日割りが基本ですが、15分(標準)通話かけ放題・国際通話かけ放題・Hulu・DAZN・DMMプレミアム・買い替え超トクプログラムは日割りの対象外で、解約する月も月額が満額になります。
順序の再確認
日付だけを気にして①②を見落とすと、節約できる額よりも大きな負担が出る場合があります。日付は最後に決めれば足ります。
④ 事務手数料は「どこで申し込むか」で変わる(2026年は有料化が進んだ)
①②③のほかに、乗り換えの申込方法によって発生する事務手数料も、2026年8月時点で見ておく必要があります。「オンラインなら無料」というイメージが定着していますが、実際は事業者ごとに差があります。
| 事業者 | 店頭 | オンライン |
|---|---|---|
| ドコモ | 4,950円(税込・2025年9月5日改定) | ドコモオンラインショップは無料(改定の対象外) |
| ahamo | — | 0円 |
| au・UQ mobile | 4,950円(税込・2026年8月1日改定) | 3,850円(税込) |
| ソフトバンク | 4,950円(税込・2025年8月20日改定) | 3,850円(税込) |
| LINEMO | — | 3,850円(税込) |
| 楽天モバイル | 0円 | 0円(同一名義で累計5回線目以降は1回線につき3,850円(税込)) |
| povo | — | 0円(過去1年以内に同一名義でpovo2.0を累計5回線以上申し込んだ場合、6回線目以降は1回線あたり3,850円(税込)) |
「オンラインなら事務手数料は無料」は、2026年8月時点では正確ではありません。オンラインでも無料なのはドコモ(オンラインショップ)・ahamo・楽天モバイル・povoで、au・UQ mobile・ソフトバンク・LINEMOはオンラインでも有料です。申込前に、この一覧のどこに当たるかを確認しておくと想定外の出費を避けられます。
ワイモバイルについては、2025年8月20日に手数料が改定されています。個人向けの現行の金額は、公式サイトでご確認ください。なお、事務手数料の無料キャンペーンが期間限定で実施されることがあるため、申込前にキャンペーンの実施期間も確認しておくとよいでしょう。
au・UQ mobileは2026年8月1日の改定で、端末購入を伴わない番号移行(同一名義内でのブランド間の移行など)も、無料から有料(店頭4,950円/オンライン3,850円)になりました。番号移行だけのつもりで手続きすると、想定していなかった手数料がかかる場合があります。
⑤ 店頭で乗り換えるなら予約番号が必要になる
MNPワンストップは2023年5月24日に受付が始まり、転出元で予約番号を取る手続きが不要になりました。ただし、これが成立するには条件が2つあります。転出元と転入先の双方がワンストップに対応していること、そしてWebからの申込であることです。
店頭での乗り換えは、従来のMNP予約番号の方式になります。予約番号の有効期限は、予約した日を含む15日間です。期限切れが近いと再取得の手間が発生するため、店頭で申込む予定がある場合は取得のタイミングにも注意が必要です。
大手キャリアとサブブランドは対応済みですが、MVNO(格安SIM)は事業者ごとに対応状況が異なるため、申込前に転出元・転入先の両方のサイトで確認することをおすすめします。対応状況は変わることがあるため、ここでは網羅した一覧は載せていません。
まとめると
Web申込ならワンストップ、店頭なら予約番号——これだけ覚えておけば、申込方法による違いは把握できます。
⑥ 端末値引きの上限は法律で決まっている
2023年12月27日に施行された改正(電気通信事業法施行規則等の一部改正)により、通信契約とセットになった端末割引の上限が2万円から原則4万円(税抜)に引き上げられました。同時に、端末単体の購入者向けの割引(いわゆる白ロム割)も上限規制の対象になっています。
上限は端末価格に応じて段階になっています。端末価格が8万円超の場合は上限4万円、4万〜8万円の場合は端末価格の50%、4万円以下の場合は上限2万円です(いずれも税抜)。大きな値引きを見込んで機種を選ぶ場合は、この段階のどこに当たるかを先に確認しておくと計算がしやすくなります。
2026年時点では、この規制についての見直しの議論が進んでいます。総務省の「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会」で第27条の3の見直し(値引き上限規制の必要性を含む)と短期解約の対策が議論されており、2026年4月20日に第6回の会合が開かれ、方針の決定は2026年夏頃の見込みとされています。規制が変われば値引きの幅も変わるため、大きな値引きを前提に乗り換え時期を決める場合は、この動きも確認しておくとよいでしょう。
乗り換え前のチェックリスト
- 今の回線を契約したのは何年何月か:1年を超えているかをまず確認する
- 端末の分割は何回目まで払ったか:返せる月に届いているかを確認する
- 返却する端末に画面割れ・故障はないか:故障時の負担が別途発生する
- 解約する月の基本料は満額になる前提で計算したか:日割りにならない事業者が多い
- 申し込みは店頭かWebか:手数料とワンストップの可否が変わる
- 家族割・光回線とのセット割が同時に外れないか:光回線とのセット割や家族割の比較もあわせて確認する
KEN編集長のまとめ
2026年は「いつ乗り換えるか」の答えが、カレンダーの日付から契約の月数へ移りました。以前のように「月末に動けばよい」だけでは、1年以内の解約料や端末の残価といった、日付より大きい負担を見落としてしまいます。
実務的には、契約から1年を超えていて、端末が返却できる月に届いていれば、あとは月の後半に手続きすればよい、という順序になります。逆にこの2つのどちらかが未達の場合は、日付を工夫するより先に、その2つを満たすタイミングを待つ方が負担は小さくなります。
2026年8月時点の情報として整理しましたが、各社の制度は今後も変わる可能性があります。乗り換えを検討するタイミングで、あらためて公式サイトの最新情報を確認してください。
以上を踏まえて、今回参照した公式情報を以下にまとめます。
出典・確認日
確認日:2026年8月7日
- ドコモ「解約金に関するお知らせ」
- ドコモ「ドコモ MAX 注意事項」
- ドコモ「いつでもカエドキプログラム」
- ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」
- ドコモ「各種手数料の改定について」
- au「契約解除料の新設について」
- au「スマホトクするプログラム+」
- KDDI「各種手数料の改定」
- ソフトバンク「契約解除料の新設について」
- ソフトバンク「新トクするサポート+」
- ワイモバイル「契約解除料の新設について」
- LINEMO「料金・費用一覧」
- 楽天モバイル「解約事務手数料について」
- 楽天モバイル「買い替え超トクプログラム」
- 総務省「携帯電話ポータルサイト(MNPワンストップ)」
- 総務省「電気通信事業法第27条の3の施行状況」
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