「eSIMが使えない格安SIM」を公式で全部当たったら、1社しか見つからなかった
この記事は、もともと「eSIMが使えない格安SIMはどこか」という一覧記事として企画しました。ところが2026年9月20日に、当社が各社の公式ページを実際に全数当たった結果、その前提が崩れました。
「eSIMには対応しておりません」と公式が明言していた社は、調べた範囲ではOCNモバイルONEの1社だけでした。OCNモバイルONEの公式サポートは次のように述べています。
「OCN モバイル ONEは、eSIMには対応しておりません。」「OCN モバイル ONEでは「iPhone 17」などのeSIM専用端末は利用できません。」
出典: OCN モバイル ONEサポート・eSIMについて(2026年9月20日確認)
この結果は「格安SIMの中でOCNモバイルONEだけが非対応」ということを意味しません。あくまで当社が到達できた公式ページの範囲での確認結果であり、他に非対応の社が存在しないことを証明するものではないからです。
ただし、今回の確認作業の中で、当初の企画よりも読者にとって重要な事実が2つ見えてきました。ひとつは同じ会社の中でも、選んだ回線によってeSIMが使えなくなるケースが5社あること。もうひとつは「対応」と案内していても、新規申込みの時点ではeSIMを選べない社が4社あることです。マルバツの2値で「対応・非対応」を並べただけの表では、この2つの落とし穴を正しく案内できません。本記事はこの2点を中心に構成し直しています。なお、回線がプランごとに変わる会社そのものの整理は格安SIMの回線元は会社だけでは決まらないで扱っています。
回線別eSIM対応表:マルバツの2値では案内できない理由
下の表は、2026年9月20日に確認した公式情報をもとに、回線・プランごとのeSIM対応を「対応 / 回線により不可 / 申込方法に制限あり / 当社で確認できず」の4区分で整理したものです。会社名のリンクから出典ページを確認できます。
| 社 | 区分 | 公式の内容 |
|---|---|---|
| mineo | 回線により不可 | A・Dプランは「A、Dプランで利用可能!」、Sプランは「ご利用いただけません」 |
| QTモバイル | 回線により不可 | D・Aタイプは「対応 ※QTモバイルショップのみ受付」、Sタイプは「非対応」 |
| NUROモバイル | 回線により不可 | 「eSIMはドコモ回線のみ対応です。」 |
| イオンモバイル | 回線により不可 | タイプ1(ドコモ回線・au回線)は対応、タイプ2は「eSIMの提供はございません」 |
| HISモバイル | 当社で確認できず | 公式のeSIM案内はドコモ回線の記載のみ。他回線の可否についての記載は見当たらない |
| IIJmio(音声eSIM) | 対応 | 「ドコモ/auが選べる!」 |
| 日本通信SIM | 対応 | 「SIMカードまたはeSIMが選べます。」(対応端末・対応EIDの限定あり) |
| BIGLOBEモバイル | 対応 | 音声はタイプA・D、データはタイプDでeSIMに対応 |
| エキサイトモバイル | 申込方法に制限あり | 「音声通話機能付きのみeSIMに対応しています。」 |
| 楽天モバイル | 対応 | 「最短3分!すぐに利用開始できる」(対応製品が限られる) |
| povo2.0 | 対応 | 「データ専用プランはeSIMのみご利用可能です。」 |
| ahamo | 対応 | eSIM提供あり(削除等の再発行は有償) |
| LINEMO | 対応 | 「eSIMでもSIMカードと同じ料金でご利用いただけます。」(カメラ利用可能な端末が必要) |
| UQモバイル | 申込方法に制限あり | 「eSIMは5G/5G SA対象プランのみご利用いただけます。」 |
| ワイモバイル | 申込方法に制限あり | 「オンラインストアでは新しいスマートフォンとセットでご購入される方のみ、eSIMへの機種変更が可能」 |
この表をあえて4区分にしたのは、「対応・非対応」の2値では実態を正しく伝えられないからです。たとえばmineoやQTモバイル、NUROモバイル、イオンモバイルは、回線を選べば「対応」ですが、別の回線を選べば「利用不可」になります。2値表でこれらを一律「対応」と書けば、Sプランやソフトバンク回線を選ぶ読者を誤らせますし、一律「非対応」と書けばA・Dプランやドコモ回線を選ぶ読者に不利益な情報になります。またHISモバイルのように、公式の記載自体が一部回線にしか無い会社を無理に「対応」か「非対応」かに押し込めると、記載の無い部分について断定していないはずの事実を断定したことになってしまいます。だからこそ、当サイトでは「回線により不可」「当社で確認できず」という区分を独立させています。
同じ会社でも、回線を選び間違えるとeSIMが使えない(5社)
前の表の「回線により不可」「当社で確認できず」に該当する5社について、公式の文言をもう少し詳しく見ておきます。
mineoは、eSIMについて「Sプランではご利用いただけません。」と明記しています。Aプラン・Dプランは対応で、Dプランは「eSIMに対応した端末のEIDが必要です。」とされています。mineoのA・D・Sプランの違いそのものはmineoのA・D・Sプランの違いで詳しく整理しています。
出典: mineo公式・eSIM(2026年9月20日確認)
QTモバイルは、タイプ別比較表のeSIM欄で、D・Aタイプを「対応 ※QTモバイルショップのみ受付」、Sタイプを「非対応」としています。D・Aタイプであっても店頭受付のみという制限があり、単純な「対応」とは言い切れません。
出典: QTモバイルFAQ・eSIMについて(2026年9月20日確認)
NUROモバイルは「eSIMはドコモ回線のみ対応です。」「ドコモ回線のみお申し込みいただけます。」としており、au回線・ソフトバンク回線ではeSIMを選べません。
出典: NUROモバイル公式・eSIM(2026年9月20日確認)
イオンモバイルは、タイプ1(ドコモ回線・au回線)は対応、タイプ2については「eSIMの提供はございません」としています。
出典: イオンモバイル公式・eSIM(2026年9月20日確認)
HISモバイルは少し性質が異なります。公式のeSIM案内ページは「NTTドコモ回線でご利用いただいている端末は、そのままお使いいただけます」としており、対象は「自由自在3.0プラン」「データ定額2.0プラン」です。この案内にはドコモ回線についての記載しかなく、他の回線についての記載は見当たりません。記載が無いことは、その機能が無いことを意味しません。そのため当社では、HISモバイルのドコモ回線以外でのeSIM可否を「非対応」とは判定せず、「公式のeSIM案内にはドコモ回線の記載しかなく、他回線の可否は当社では確認できなかった」という扱いにしています。
出典: HISモバイル公式・eSIMガイド(2026年9月20日確認)
この5社を並べて気づくのは、eSIMが使えない側として名指しされている回線が、mineoのSプラン・QTモバイルのSタイプ・NUROモバイルのソフトバンク回線・イオンモバイルのタイプ2というように、一貫してソフトバンク回線側に偏っていることです。なぜそうなっているのかを裏付ける公式情報は確認できておらず、理由を断定することはできません。ただ、契約する回線を選ぶ段階でこの傾向を知っておくと、あとから「eSIMが使えない回線を選んでいた」という事態を避けやすくなります。
「対応」なのに、新規申込みではeSIMを選べない4社
次に、公式が「対応」を案内しているにもかかわらず、新規申込みの時点ではeSIMを選択肢に含めていない4社を見ていきます。いずれも、いったん物理SIMで契約したうえで、契約後の手続きとしてeSIMへ切り替える形になります。切り替えの一般的な手順はeSIM乗り換えの手順でも解説しています。
トーンモバイルは2025年9月24日付の告知で、「新規・追加お申し込み時および機種変更時のeSIM同時お受け付けは2025年9月現在、未対応となっております」「会員情報ページよりお手続きいただけます」としています。eSIMプロファイル発行料は352円(税込)です。この告知は「2025年9月現在」という時点付きのものであり、当社が2026年9月20日に読んだ範囲でも同じ文言のままでした。現在も同じ状態が続いているかどうかは、この告知文だけでは分かりません。
出典: トーンモバイル公式・お知らせ(2025年9月24日)(2026年9月20日確認)
y.u mobileは「お申し込み時に選択できるSIM種別はSIMカード(物理SIM)に限られます」「eSIMをご希望の場合は、ご利用開始後にマイページよりお手続きください」としています。この案内の対象は「y.u mobileをご契約中のお客様」です。
出典: y.u mobile公式・お知らせ(2026年9月20日確認)
LIBMOは「2026年3月26日(木)よりeSIMの提供を開始いたしました」としつつ、「端末同時購入を除く」という条件を付けています。
出典: LIBMO公式・お知らせ(2026年3月26日)(2026年9月20日確認)
QTモバイルも、タイプ別比較表の注記で「対応 ※QTモバイルショップのみ受付」としており、FAQ本文では既存契約者の切替を「ショップまたはWeb」としています。いつからeSIM提供を開始したのかについては、当社では確認できていません。
出典: QTモバイルFAQ・eSIMについて(2026年9月20日確認)
この4社に共通するのは、「対応」という言葉だけを見て申込み画面を開くと、eSIMの選択肢が無いことに戸惑う可能性がある点です。物理SIMを受け取ってから切り替える手順になるぶん、日数がかかるほか、後述するようにプロファイル発行料などの手数料が発生する場合もあります。
eSIMの再発行・切替にかかるお金
eSIMの発行・再発行にかかる費用について、当社が公式で確認できた数値は次のとおりです。ここに無い会社の金額は、当社では確認できていません。
| 社 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| mineo | 440円(税込) | eSIMプロファイル発行料 |
| BIGLOBEモバイル | 433.4円 | eSIMプロファイル発行料(iPhoneでeSIMクイック転送を使う場合は無料) |
| トーンモバイル | 352円(税込) | eSIMプロファイル発行料 |
| ahamo | 4,950円(税込) | 削除等による再発行(有償) |
| UQモバイル | 4,950円 / 無料 | 店頭(au Style・auショップ・UQスポット)は4,950円、My UQ mobile(Web)は無料 |
出典: mineo公式・eSIM/ BIGLOBEモバイル公式・eSIM/ トーンモバイル公式・お知らせ/ ahamo公式・eSIM/ UQモバイル公式・eSIM(いずれも2026年9月20日確認)
なお、mineoのDプランについては「eSIMに対応した端末のEIDが必要です。」という条件があり、金額とは別に端末側の要件があります。UQモバイルは、同じ再発行でも窓口によって費用が大きく変わる点が特徴です。店頭(有償)とMy UQ mobile経由のWeb手続き(無料)のどちらを使うかで、支払う金額が変わります。
IIJmioのデータeSIMは、公式の中で説明が割れている
IIJmioの音声eSIMは「ドコモ/auが選べる!」と明記されており、A・Dの両方に対応しています。ところがデータeSIMについては、IIJmio公式サイトの中で記述が食い違っています。当社はどちらか一方を採用せず、割れていること自体をそのまま開示します。
IIJmioのQ&Aページ(更新日2026/09/01)は、「※データeSIMはタイプI(ドコモ網)、タイプA(au網)での提供です。」としています。
出典: IIJmio公式・Q&A(2026年9月20日確認)
一方、料金表・商品ページは「【タイプI(データeSIM(ドコモ網))の場合】…」「ドコモ網のデータ通信専用eSIMはタイプI回線です。」としており、au網については触れていません。
出典: IIJmio公式・料金表/ IIJmio公式・eSIM(2026年9月20日確認)
つまり、同じIIJmio公式の中で、データeSIMにau網を含めるかどうかの説明が割れています。当社としては、データeSIMのau網提供を「対応」とも「非対応」とも書きません。これは当社が判定を放棄しているのではなく、公式自身の記述が一致していない以上、どちらか一方を勝たせることが不正確な案内になると考えるためです。あわせて、料金表の注記によれば、データeSIMは5Gオプションの対象外とされています。IIJmioでデータeSIMの利用を検討する場合は、公式に直接問い合わせて最新の扱いを確認することをおすすめします。
当社で確認できなかったこと
この記事を作るにあたり、当社が2026年9月20日に確認した公式情報の範囲では、次の点を断定できる裏付けが取れませんでした。正直にお伝えします。
- OCNモバイルONEの新規受付状況、および「OCN インターネット」の内容(www.ntt.com・www.ocn.ne.jpが当社の取得手段に対して一律HTTP 403となり、本文に到達できなかったため)
- HISモバイルの、ドコモ回線以外(ソフトバンク回線など)でのeSIM利用可否(公式のeSIM案内にドコモ回線の記載しかないため)
- mineoのシングルタイプ(データ)とデュアルタイプ(音声)の別によるeSIM対応差(公式の粒度はA・D・Sプランの別のみで、タイプ別の記載は見当たらない)
- QTモバイルがeSIM提供を開始した日付
- トーンモバイルの「eSIM同時受付は未対応」という状態が、2026年9月20日時点でも続いているかどうか(告知文は「2025年9月現在」という時点付きの表現にとどまる)
これらの項目については、契約前に各社の公式サポートへ直接確認することをおすすめします。当社としても、公式の追加情報が確認でき次第この記事を更新します。
回線から選ぶときの確認手順
ここまで見てきたとおり、格安SIMのeSIM対応は「対応・非対応」の2値では語れません。契約前に確認しておきたい手順を整理します。
- 契約中、またはこれから契約しようとしている回線が、ドコモ・au・ソフトバンクのどれに当たるかを確認する。
- 検討している会社の公式eSIM案内ページで、自分の回線について明記されているかを確認する。記載が見当たらない場合は、その場で「対応」と決めつけず、公式に問い合わせる。
- 新規申込みなのか、契約後の切り替えなのかで手順が異なる場合があるため、申込み画面に実際にeSIMの選択肢が表示されるかを確認する。
- eSIMプロファイルの発行・再発行に手数料がかかるかどうか、金額とあわせて確認する。
- それでも判断がつかない場合は、複数の回線を使い分けるデュアルSIMの組み合わせや、格安SIM全般のデメリットもあわせて確認したうえで検討する。
eSIMは端末側にも対応・非対応があるため、回線だけでなく、使う端末側のeSIM対応状況もあわせて確認しておくと、契約後に慌てずに済みます。
結論
2026年9月20日に各社の公式ページを確認した結果、「eSIMには対応しておりません」と明言していたのはOCNモバイルONEの1社だけでした。ただしこれは、他に非対応の社が無いことを意味しません。本当に注意すべきなのは、mineo・QTモバイル・NUROモバイル・イオンモバイル・HISモバイルのように回線を選び間違えるとeSIMが使えなくなる5社と、トーンモバイル・y.u mobile・LIBMO・QTモバイルのように「対応」であっても新規申込みではeSIMを選べない4社です。契約前には、自分が使う回線と申込み方法の両方を、公式ページで具体的に確認することをおすすめします。
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