先に数字 — 欄は105/105埋まっているのに、書き方は43通り
当サイトが掲載している105機種(delisted除く)について、防水・防塵欄の記載を全数見直しました。結果は次のとおりです。
- 欄は105/105で埋まっている(記載が無く推測で補った機種は0台)
- しかし表記の種類を数えると43通りに分かれる
- 防塵の等級を公表表記から読むと、最高位の等級6が88台・等級5が4台・等級4が9台
- 「防塵非対応」と明記しているのは2台
- 防塵について何も書かれていない(沈黙している)のは2台だけ
- IPX9(高温・高圧の噴流水の等級)を持つのは12台
- MIL-STDに言及するのは10台
- 冒頭が合成コード(例「IP68」のように、2つの数字が1つのコードにまとめて書かれている形)で始まるのは40台
この8つの数字だけでも、「防水・防塵に対応している」という1行の情報の裏に、かなりの表記の揺れが隠れていることが分かります。以下、この揺れがどこから来るのか、具体例で見ていきます。
防水と防塵は別の等級である(IPX8は水だけ・IP6Xは塵だけ・IP68は両方を1つのコードで書いたもの)
当社が確認できた範囲では、防水・防塵の等級は「IP」に続けて2つの数字(または記号)を並べる形式で表記されます。前の数字が防塵等級、後ろの数字が防水等級で、この2つは別の試験です。前の数字が測られていない(試験していない、または非公開の)場合は「X」が入り、「IPX8」のように書かれます。これは「防水側は等級8、防塵側は非公開・未試験」という意味で、防塵については何も述べていない表記です。逆に「IP6X」は「防塵側は等級6、防水側は非公開・未試験」という意味になります。
そして「IP68」のように数字が2つ並ぶ表記は、この防塵側と防水側の数字を1つのコードにまとめて書いたものです。つまり「IP68」は、分けて書けば「IP6X(防塵)・IPX8(防水)」と同じ内容を指している、というのが当社が確認できた範囲での理解です。分離表記(IP6X・IPX8)と合成コード(IP68)は、見た目はまったく違う文字列ですが、中身が同じ場合があります。この「同じ中身を複数の見た目で書ける」という性質が、本記事で見ていく43通りの表記のばらつきの土台になっています。IPX8とIPX9が何を試験しているかという定義そのもの、MIL-STD-810Hの読み方については、タフネススマホ比較2026で扱っていますので、本記事では再解説せず、分布と比較不能性のほうに絞ります。
同じ中身が世代で3通りに書かれている【Galaxy 折りたたみ3台の実例】
当サイトの表記の揺れが最もはっきり出る例が、Galaxyの折りたたみ3機種です。防塵・防水の中身は同じ(IPX8の防水とIP4Xの防塵)なのに、公表されている表記が世代によって3通りに分かれています。
| 機種 | 公表されている表記 | 分解すると |
|---|---|---|
| Galaxy Z Fold7 | IPX8(防水)、IP4X(防塵) | 分離表記 |
| Galaxy Z Fold8 | IP48規格(IPX8・IP4X) | 合成コード+括弧で分解 |
| Galaxy Z Fold8 Ultra | IPX8・IP4X | 中黒で並記 |
Galaxy Z Fold7は防水と防塵を分けて書き、Galaxy Z Fold8は合成コード「IP48」を主役にしつつ括弧で内訳を示し、Galaxy Z Fold8 Ultraは合成コードを使わず中黒でつないでいます。当社が確認できた範囲では、この3機種の防水・防塵の中身(IPX8・IP4X)自体は同じです。表記だけが3通りに変わっています。
この並びを見た読者が「IP48」と「IPX8/IP4X」を別物だと考えたり、逆に見た目が近い「IP68」と「IP48」を近い等級だと考えたりする経路がここにあります。「IP48」は数字の並びとしては「IP68」に近く見えますが、前の数字(防塵側)が4と6で、保護範囲が異なる等級を指しています(次の章で見るIP4Xの8台を参照)。なお、この3機種を含む折りたたみスマホをどう選ぶかという比較は、折りたたみスマホ比較2026【9機種】で扱っていますので、本記事では機種選びには立ち入りません。
防塵について何も書かれていない2台 — 「防水対応」とだけ書かれている機種で何が分からないか
当サイトの集計では、防塵について公表表記に何も書かれていない機種は2台です。「何も書かれていない」というのは、公式の仕様表に防塵を示す数字や文字(IP4X・IP5X・IP6Xのような防塵側の表記、あるいはIP68のような合成コードの1桁目)が見当たらない、という状態を指しています。
1台はmotorola razr 50 ultraで、公表表記は「IPX8」だけです。Xは「その項目を定めていない」ことを示す記号なので、防水側の等級(8)は読めるものの、防塵側は等級が付いているのか、試験をしていないのか、公開していないだけなのかを、この表記からは区別できません。
もう1台はAQUOS wish5で、公表表記は「IPX5/IPX8/IPX9、MIL-STD-810H準拠」です。水の側は3つの等級が並んでいて情報量が多いのに、防塵側の等級は1つも出てきません。水に強いことが詳しく書かれている機種が、塵についても同じだけ強いとは限らない、という読み方になります。
残りの103台は防塵側の等級が読めます。ただし読めることと高いことは別です。次章以降で、等級が低い側に何が並んでいるかを見ます。
「防塵非対応」と明記している2台
17台の中でも性質が異なるのが、防塵について「非対応」だと明記している2台、Google Pixel 9 Pro Foldとmotorola razr 50sです。どちらも公表表記は「IPX8(防塵非対応)」という形で、防水側は等級8、防塵側は非対応であることが文章で明記されています。
この2台は、防塵側の数字が書かれていないという点では前章の2台と同じ見た目ですが、情報としての性質は違います。前章の2台(IPX8のみ、IPX5/IPX8/IPX9のみ)は「防塵について何も書かれていない」状態で、試験していないのか非公開なのか分かりません。一方この2台は「防塵非対応」という言葉で、メーカーが防塵の等級を主張していないことが明示されています。沈黙と、明記された非対応は別の情報量を持つ、という点をここでは区別しておきます。
防塵が等級4の9台 — 砂や粉じんの場所で何が起きうるか
当サイト集計で防塵側の等級が4(IP4X、または合成コードIP48の1桁目。IP6Xより保護される範囲が狭い区分)の機種は9台です。Galaxy Z Flip7・Galaxy Z Fold6・Galaxy Z Fold7・Galaxy Z Flip8・Galaxy Z Fold8・Galaxy Z Fold8 Ultra・motorola razr 60d・motorola razr 60s・motorola razr 60 ultraの9台で、いずれも画面が折れ曲がる構造(折りたたみ・クラムシェル)を持つ機種です。表記の形は揃っておらず、IP4Xと分けて書く機種と、razr 60 ultraのように「IP48」という合成コードで書く機種があります(合成コードの1桁目が防塵側の等級です)。
当社が確認できた範囲では、IP4Xは直径1mmを超える固形物の侵入に対する保護を想定した等級で、粉じんの侵入をほぼ完全に防ぐIP6Xよりも保護される範囲が狭い区分です。これは規格上の区分であり、「IP4Xの機種は砂の多い場所で壊れる」と当サイトが断定するものではありません。等級はあくまで試験条件下での結果であり、実際の環境でどうなるかを保証するものではないためです。9台がいずれも折りたたみ・クラムシェル構造に集中している、という並びだけを、当社が確認できた事実として記しておきます。
Pixel の折りたたみは世代で防塵が変わった
Googleの折りたたみスマホ3機種を並べると、世代による防塵表記の変化が見えます。Google Pixel 9 Pro Foldの公表表記は「IPX8(防塵非対応)」で、前の章のとおり防塵非対応が明記されています。一方、Google Pixel 10 Pro FoldとGoogle Pixel 11 Pro Foldの公表表記はどちらも「IP68」です。
「IP68」は2章で見たとおり、防塵側・防水側の数字を1つのコードにまとめた合成コードです。当社が確認できた範囲の理解に沿えば、「IP68」の前の数字「6」は防塵等級6を意味しており、Pixel 10 Pro Fold・Pixel 11 Pro Foldは防塵等級が存在する表記に変わった、という見え方になります。ただしこの「6」は合成コードの中に埋め込まれているだけで、「IP6X」という防塵だけを示す文字は公表表記のどこにも出てきません。「防塵非対応」という明確な日本語の文から、数字2つだけの合成コードへ表記が変わった、という点が、このPixel折りたたみ3世代から見えることです。
水の側が IPX2 しかない機種も在る(motorola razr 40s)
防水・防塵の等級で見落とされやすいのが、「防水対応」という同じ言葉でくくられていても、等級の高さに大きな差がある点です。motorola razr 40sの公表表記は「IPX2、IP5X」で、防塵側はIP5X(粉じんの侵入をある程度防ぐ等級)、防水側はIPX2です。
当社が確認できた範囲では、IPX2は一定の角度に傾けた状態での水の滴下に対する保護を想定した等級とされています。これは、水中への継続的な水没を想定するIPX8(当サイト掲載機種の多くが持つ等級)とは、試験の想定状況そのものが異なります。同じ当サイトの掲載機種の中に、防水の等級が2段階(IPX2)しかない機種と、継続的な水没を想定した等級(IPX8)を持つ機種が混在している、という事実が、「防水対応」という1語で機種を比べられない理由のひとつです。
【全数表】43通りの表記と該当機種
当サイト掲載105機種(delisted除く)の防水・防塵欄の公表表記を、全43パターン・該当機種名とともに一覧にしました。表記は当サイトの台帳に記載されている文字列そのままです。
この表を見ると、最多の表記(18台)でも全体の17%程度にとどまり、残りは1〜17台ずつに分散しています。1台だけの表記が20パターン以上あることからも、メーカー間・世代間で表記を揃える動きが今のところ無いことが分かります。
読者が自分の機種で何を確認すればよいか(メーカー公式の仕様表のどの欄か)
手元の機種の防水・防塵等級を確認したい場合、メーカー公式サイトの「仕様」「スペック」と書かれたページの中で、「防水」「防塵」「IP」といった語が並ぶ行を探すのが基本の手順です。見つけた表記が今回の43通りのどれに近いかによって、読み方が変わります。
- 「IP」の直後に数字が2つ並ぶ合成コード(例: IP68・IP67・IP64)の場合、前の数字が防塵等級、後ろの数字が防水等級です。
- 「IPX」+数字の場合、Xの位置は非公開・未試験の意味で、数字のある側(防水または防塵)の等級だけが分かります。
- 「IP6X」「IP5X」「IP4X」のように数字のあとにXが続く場合、それは防塵側の等級(前の数字)だけを示しており、防水側は別の表記(多くはIPX+数字)と組み合わせて書かれています。
この3パターンの組み合わせ方だけで、今回確認した43通りの大半が作られています。「IP」に続く最初の記号が数字かXかを見るだけで、その表記が防塵・防水のどちら(または両方)を示しているかが分かります。各機種の公式出典URLと確認日は機種ごとに記録しており、各機種ページに表示されています。
この記事が言っていないこと
この記事を読むうえで、当サイトが確認できていない点・意図的に書かなかった点を明記します。
- 防水・防塵の等級は、メーカーが定めた試験条件下での結果です。経年変化・落下・分解歴があっても等級が維持されるという保証ではありません。
- 当サイトは実機の浸水試験・防塵試験を行っていません。この記事の数字はすべて、各メーカーが公開している仕様表の記載を当サイトが集計したものです。
- 「等級が低い・表記が無い=壊れる」とは書いていません。等級は試験条件下の結果を示すものであり、実際の環境でどうなるかを保証するものではないため、当サイトはそのような断定をしません。
- IEC 60529(IP等級を定める国際規格)の条文そのものを当サイトは一次情報で確認できていません。等級の仕組みに関する記述は、当社が各メーカーの公表資料・一般に入手できる解説から確認できた範囲にとどめています。
- どの機種の防水・防塵性能が優れているかという優劣の評価、折りたたみスマホの機種選び、IPX9・MIL-STD-810Hの等級の定義そのものの解説は、この記事の対象外です(折りたたみの選び方・等級の定義解説は関連コラムで扱っています)。
出典と確認日
この記事の数字は、当サイトが掲載している105機種の仕様データの防水・防塵欄を集計したものです。全105機種の集計は2026年10月9日に実施しました。各機種の公式出典URLと個別の確認日は機種ごとに記録しており、各機種ページの出典表示から確認できます。本文中で機種名に言及した箇所は、すべて該当する機種ページへリンクしています。
防水・防塵等級の表記の仕組み(「IP」+数字2つの構造、Xの意味)に関する記述は、各メーカーの公表資料と一般に入手できる解説から当社が確認できた範囲のものです。IEC 60529の条文そのものを一次情報で確認できていない点は、本文中でも明記したとおりです。
関連コラム
- 折りたたみスマホ比較2026【9機種】 — 本記事のGalaxy Z Fold例を含む、折りたたみスマホの機種選びを扱った記事です。
- タフネススマホ比較2026 — IPX8とIPX9の違い・MIL-STD-810Hの読み方を解説した記事です。
- 長く使えるスマホ一覧 — 当サイト掲載105機種のOSアップデート方針を同じ形式で全数調査した記事です。
- microSDが使えるスマホは105機種中15機種 — 同じ105機種を記憶欄で全数調査した記事です。
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買う理由
- 厚さ8.9mm・重さ約215gまで薄型軽量化
- 約2億画素の高画素メインカメラ
買わない理由
- 4400mAhとフラッグシップとしては標準的なバッテリー容量
- 本体価格が26万円台からと高価
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- 折りたたみとして軽量な約201g
- 新しいワイド比率で開いて約7.6インチの大画面
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- 望遠レンズは非搭載(広角+超広角の2眼構成)
- 本体価格が26万円台からと高価
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- 約2億画素+光学3倍望遠のトリプルカメラ
- Armor Aluminumフレーム+Flex Titanium(2層)、Armor FlexHingeを採用した高耐久設計
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- 本体価格が29万円台からとシリーズ最高値クラス
- 重量約215gとZ Fold8よりやや重い
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